法話集

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読む法話 「輝く人生」 (宇土市 宝林寺 經智敬)

2021/09/28 04:51

  源空光明はなたしめ
   門徒につねにみせしめき
   賢哲(けんてつ)・愚夫(ぐぶ)もえらばれず
   豪貴(ごうき)・鄙餞(ひせん)もへだてなし

  (意)源空聖人は、その身から光明を放って、その姿を日頃から門弟たちにお見せになり、賢いものも愚かなものも
 区別することなく、貧富や身分の違いによって分け隔てされることはなかった。

 親鸞さまが法然さま(源空聖人)のお姿を褒め称えられましたご和讚でございます。
 「源空光明はなたしめ」とあるように、法然さまはまるで光輝くようでありました。
 苦悩に沈んでおられた親鸞さまには真実の光りであり、本当のよりどころであったのでしょう。また今まで目にしてきた比叡山の様子とは違い、親鸞さまにはとても衝撃的だったのでしょう。
 さて、私たちが人生を歩むなかには、うれしいこと悲しいことといろんなことがございます。そのよろこびや悲しみを隠して生きていくことは難しいような気がしますし、またそれをなかなか隠せないのが人間なのだと思います。
 私たちは人生を歩む中でいろいろな問題を抱えます。右に進むか左に進むかどちらかの決断をくだすとき、進んだ場所に満足できれば問題はないのですが、残念ながらどちらに進んでも私たちは選んだ場所でまた愚痴をこぼしてしまうのではないでしょうか。
 親鸞さまは「それ真実の経をあらわさばすなわち大無量寿経これなり」と仰せられました。お経の「経」という字は「たていと」と読みます。織物を織るときに基本となるものが縦糸です。その縦糸に横糸を通し織物が仕上げられていきます。その場合、縦糸がきちん通っていないと織物が仕上っていきません。「たていと」即ち「経」とは絶対に揺らぐことがないもの、ものごとの筋道が通ることなのです。
 お経、阿弥陀さまのみ教えを聞くことにより、どんな場所に身を置いても置いた場所できちんと筋道が通っていくよろこびの人生を歩めるのです。
 法然さまは阿弥陀さまのみ教えをいただかれ、揺らぐことのない本当のよろこびにであっていらっしゃったのでしょう。そのよろこびが光りあふれるお姿であったのでしょう。
 阿弥陀さまのみ教えを聞き、どんな境遇に身を置いても必ず筋道の通る人生を歩むことにより、この私も輝いていくのです。