法話集

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新年のご挨拶  熊本教区教務所長・本願寺熊本別院輪番 宮川善裕

2022/01/01 09:08
 新年あけましておめでとうございます。
 皆様のおかげで今年も無事新しい年を迎える事が出来ました。本年も多くのご縁をいただきその一つ一つの尊いご縁を大切に精進させていただきたいと存じます。皆様には熊本教区・熊本別院をいつも支えていただき深く感謝いたしております。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 熊本に於いては、平成28年4月に発生した国内最大規模の熊本地震から5年目を迎えていますが、その後は新型コロナウィルス感染症の発生により県内外を取り巻く環境に非常に深刻な影響を与えています。その中、令和2年7月豪雨が発生、球磨川の氾濫とともに人吉市を中心に甚大な被害が生じるなど、思いもよらぬ災害が多発し多くの命が失われるなど、自然の猛威に対する人間の無力さを思い知らされた事でもありました。また、コロナ禍にもより様々な社会問題が複雑化した現代社会では、いのちを軽視する事件が相次ぐなど、苦しみや悲しみに打ちひしがれそうな日々を過ごされる人が大勢おられます。今まさに何を指針としてどう行動すべきかが私たち一人一人に問われているように思います。
 専如ご門主様は、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、各寺院における法要・行事等を執行する事が難しい中、「仏教や浄土真宗のみ教えを伝えるお寺が人々の拠り所となるよう社会の中で出来る事を実践してまいりましょう」とご教示くださいました。また法統が継承された折の「ご消息」においては「現代の苦悩をともに背負い、御同朋の社会をめざし、みなで英知を結集して取り組んでいただきたい」とお示しいただいています。
 現在、寺院を取り巻く状況は日増しに厳しくなり、様々な課題が生じていますが、お寺を中心に人と人とが寄り添い、心豊かに生きる事の出来る社会の実現を目指すためにも、私たちの生きる方向を見据え、新たな人と人との繋がりを築いていくための一歩をふみだしていただきたいと願うことであります。今後とも広く社会の生活感情をもって、周囲の人々へ働きかける念仏者として、実践運動推進のため、ご協力を賜りたくよろしくお願い申し上げます。
 本年もめまぐるしい変化が予想されますが、その中で変わらぬみ仏のお法をともによろこばせていただきたいと思います。 
                                                                                 
                                                      合掌